AIもiPhoneも、そして私たちの仕事も——未来は、静かに続く過去の延長線上にある。
「えっ!? AIって、いきなり現れた“未来の魔法”だと思ってませんか?」
街にはAI搭載の製品があふれ、まるで昨日までなかった世界が突然やってきたように見える。けれど、私のようなシステム屋からすれば、それは少し違う。AIもiPhoneも、決して“ゼロから生まれた革新”ではない。


■ AIも、iPhoneも、そして日本の技術も
AIは急に出てきた特別なものなのか?
iPhoneって、何も知らないところから生まれた技術なの?
——答えは「No」だ。
AIの裏には統計学・信号処理・計算理論という数十年単位の研究の積み重ねがある。
iPhoneの背後にも、通信技術、タッチパネル、CPU設計、そして「人が持ち歩く」ことを前提にした思想の連続がある。
「技術立国・日本」がこれまで検討してきた研究も、確実に世界の土台を作ってきた。
ただ、表舞台に立たなかっただけだ。
失われた30年で“経済”を失ったかもしれない。
だが、“技術”まで失ったわけではない。
■ システム屋から見た「技術の現場」
現場の感覚としては、「急に出てきた技術」なんて存在しない。
新しいシステムも、昨日までのソースコード、過去に書かれた小さな関数、改修の履歴、そのすべてが積み重なって今がある。
まさに「ちりも積もれば山となる」。
プログラムの世界では、魔法のような一行が世界を変えることはあっても、その一行を書くための“千行の実験”が、必ず背後にある。
技術は一日にしてならず。
■ 技術が「今」にたどり着くまで
理論研究 → 基礎研究 → 実用化研究 → 実証検証 → 製品コンセプト → 課題との紐づけ → ビジネスモデル検討 → POC構築……。
この長いステップを、何度も何度も繰り返す。
一足飛びに最終製品なんて生まれない。
AIも、スマホも、IoTも、同じ道を歩んできた。
そして今、私たちの世代がその“連続の先端”に立っている。
■ 明日から、私たちがつなぐ未来へ
だからこそ、私は思う。
技術の未来は、決して遠い場所にあるわけじゃない。
それは“今日の積み重ね”の先にしか存在しないのだ。
私たちは、その連続を止めない限り、未来を作り続けることができる。
一歩ずつ、コード一行ずつ。
「私ならできる!明日から踏み出す。」
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