― 技術進化の裏側で、静かにプロジェクトを支える存在 ― うわっ、最新バージョンのJavaより、この人の一言のほうが現場を動かしている!? システム開発の現場で、結構不思議だったことがある。 作っているのはJavaによるWeb中心の開発。Javaは結構新しい技術だし、最近もバージョンアップしたばかりだ。その変更点を十分理解し、オブジェクト指向も踏まえて設計しなければならない。正直、追いかけるだけでも大変だ。 だから私は思った。 経験があるとはいえ、50代の人って、これどうやってついて行っているの? ■ 若手が強い領域、ベテランが強い領域 確かに、金融の仕組みは若い人には分からないことが多い。しかし、Javaの最新仕様は若手のほうが詳しいこともある。では、50代の課長は何をしているのか。Javaのプログラム設計そのものをゴリゴリ書いているわけではない。 彼らの役割は別にあった。 ■ 業務を構造に落とす力 金融システムの仕組みを理解し、それをシステム構造に落としていく。業務フローを整理し、要件を明確化し、詳細設計や画面設計をレビューする。 最新のプログラムが分からなくても、十分どころかリードできる。 なぜか。 業務を知っていることの重み。 そして、開発プロジェクトそのものを知っている強み。 ■ プロジェクトを動かすのは“経験値” 開発計画を立てる。 テスト計画を策定する。 テスト内容をレビューする。 人員計画を考え、各メンバーを教育し、作業計画を整理する。 やることは山ほどある。それを計画し、一つ一つ積み上げていく。 経験があるエンジニアだからこそ、全体を俯瞰し、優先順位をつけられる。 私たち一次受けの立場から見ても安心してお願いできる存在。 まさにベンダーの重鎮だ。 ■ 「新しい技術を知っている」だけでは足りない 新しいプログラムを知っているから何? そんな言葉が背中からにじみ出ているようだった。 技術は進化する。しかし、業務理解、構造化力、計画力、人を束ねる力は一朝一夕では身につかない。彼らがいないと、開発は回らない。 とっても頼りになる存在だ。 技術を追い続ける若手と、構造を支えるベテラン。その両輪があってこそ、プロジェクトは前に進む。 年齢は壁ではない。 役割が進化しているだけだ。 私ならで...
システム開発の“本当の温度”は、夜に現れる うわっ……ドアを開けた瞬間、タバコの匂いと熱気が一気に押し寄せてきた。 それが、私が初めて足を踏み入れた システム開発の最前線 だった。 ■ タバコの匂いが漂う開発部屋 整ったオフィスやオンライン会議に慣れていた私にとって、その開発部屋は別世界だった。 少し薄暗く、モニターの光だけが浮かび上がる空間。 ここが、今まさに動いている“現場”なのだと、肌で感じた。 ■ 現場の重鎮と仲良くなる方法 この現場には、私と同じ社員はわずか3名。 他は関係する開発社員さんたちで、しかも 2社が同じ現場に入り、開発領域を取り合っている関係 だった。 だからこそ、私は考えた。 「まずは現場の重鎮と仲良くなろう」と。 同じ年代の人を見つけ、勇気を出してご飯に誘った。 肩書きよりも、人として向き合うこと。それが最短ルートだった。 ■ 夜になると、現場の顔が変わる そして、私が「現場だなぁ」と強く思ったのは、 夜 だった。 定時になっても、帰る人はゼロ。 8時を過ぎて、ようやく一人、二人が帰りだす。 10時を超えると、少しソワソワした空気が流れ、20代の人たちはだいぶ帰宅している。 それでも、 まだ半分は残っている 。 ■ 不夜城と呼ばれる理由 11時。終電を気にして急ぐ人たちが出てくる。 12時。私も終電に向かって席を立つ。 それでも、まだ残っている人たちがいる。 「あれ?」と目を向けると、50代の人が、変わらずキーボードを叩いている。 帰らない人たちが、確かにそこにいた。 ――不夜城と呼ばれる現場。 都市伝説だと思っていたけれど、 実在していた 。 ■ やっぱり、現場は現場 効率や働き方改革の議論は、もちろん大切だ。 でも、現場には、数字や資料では測れない“熱”がある。 その熱を知っている人たちが、最後まで残っていた。 私は思った。 やっぱり、現場は現場だ、と。 私ならできる!明日から踏み出す