うわっ、プロジェクトって終わるとこんなにあっさり次に行くのか! 社会人5年目の頃、私はあるITプロジェクトのローンチを迎えていた。 そのプロジェクトは、特定のフレームワークを適用する役割で入っていたものだった。 空いた時間でお小遣いを貯めよう!「アイリサーチ」 設計、開発、テスト。 何カ月も続いた忙しい日々。 そして、ついに本番稼働。 プロジェクトの一つの役目が終わった瞬間だった。 プロジェクトは終わると、すぐ次が始まる ローンチ後、運用に入る前のタイミングで、上司から呼ばれた。 「山口くん、来月から次のプロジェクトね」 あまりに普通の口調だった。 「場所はここ。入館の仕方はこれ。よろしく」 それだけだった。 さ、次のプロジェクト。 プロジェクトが変わるときは、いつもこんな感じだった。 簡単な説明だけ聞いて、あとは現地。 IT業界では珍しくない。 次のプロジェクトには同期がいた 次のプロジェクトは、証券会社のシステムだった。 金融機関ではあるが、銀行とは少し雰囲気が違う。 ふと気づいた。 そこには同期がいる。 ちょっと連絡を取ってみた。 「最近どう?」 すると返ってきたのはこんな言葉だった。 「結構遅くまでやってるよ」 どうやら忙しいらしい。 しかも驚いたことに、 その同期がプロジェクトのリードをしているという。 まじめな子ではある。 でも、ふと思った。 「彼って、リードするようなタイプだったっけ?」 なんとなく、そんなイメージではなかった。 そんなことを考えながら、次のプロジェクトのことを思っていた。 今度の役割は「支援」 今回の私の役割は、開発ではなかった。 支援。 このポジションが、なかなか難しい。 同期の手前、入りすぎるのも違う。 かといって、何もしないのも違う。 どこまで入ればいいのか。 自分の役割は何なのか。 プロジェクトリーダーは、 私にどう動いてほしいと思っているのか。 答えは、最初からは見えない。 だから私は決めた。 まずは、しっかり状況を見よう。 プロジェクトルームという不思議な場所 そして、新しいプロジェクトルームへ。 そこは都内の一等地にあるビルの一室だった。 初めて見たとき、 ふと不思議な感覚...
うわっ、プロジェクトってこんなに人がいるのか! 若い頃、大規模システムプロジェクトの会議室に入った瞬間、そう思ったのを覚えています。 私はこれまでIT屋として、多くのシステム構築プロジェクトに関わってきました。 日本だけではありません。インド、中国、ポーランド。いまやITプロジェクトは完全にグローバルに広がっています。 大きなシステムになればなるほど、プロジェクトは巨大になります。 そしてその構造は、実はとても複雑な「多段の社会構造」になっています。 プロジェクトの裏側にある「多段構造」 システム開発の世界では、よくこんな言葉を聞きます。 「システムはシステムのプロが作る」 これは半分正解で、半分間違いです。 確かに設計やアーキテクチャは専門家が担います。 しかし、大きなシステム、大きなプロジェクトになればなるほど、最後は人海戦術になります。 テスト作業、データ確認、操作確認。 パソコンが触れればできる仕事は数多く存在します。 日本語ができなくても、パソコンは触れる。 言われた通りにテストはできる。 こうして世界中から人が集まり、プロジェクトはどんどん拡大していきます。 知識労働ではなく「人数ビジネス」 しかし、この構造にはもう一つの側面があります。 プロジェクトは、元請けから順番に費用が抜かれていきます。 そして末端のエンジニアに届く頃には、かなり安価なコストになっています。 つまり、評価されているのは知識ではなく「人数」です。 人を集めれば売上になる。 だから価格競争が起きる。 そして、縄張り争いが始まります。 プロジェクトの現場で起きること 当初考えていない作業が出てくると、 「それはうちの責任ではない」 簡単な作業が出てくると、 「それはうちがやる」 責任は押し付け合い、 作業は取り合いになる。 管理者たちは、その中で自分の領域を広げるために、 コミュニケーション、調整、そして飲み会に奔走します。 こうしてプロジェクトは進むのですが、 その裏では多くの人が疲弊しています。 鬱になる人もいる。 プロジェクトは遅延する。 そして最後には、責任の追及が始まる。 残念ながら、この構図は世界中であまり変わりません。 PMBOKでも解決できないこと もちろん...