「AIに特許を書かせてみた!?」——弁理士が消える未来なんて、まだこない。
AI時代、知財のプロが本当にやるべきこと。
「AIに特許資料、書いてもらえばいいじゃん!」
そんな声をよく聞くようになりました。
確かにChatGPTのようなAIは、自然な文章を一瞬で書いてくれます。
では——専門性の極みである「特許明細書」も、AIが書けるのか?
私は半信半疑のまま、実際に試してみました。
結果は、まったく無理。
AIが返してくるのは、それっぽい言葉の組み合わせ。
「発明の構成要素を明確に」「効果を説明して」と指示すれば、形式的な文書は出てきます。
けれど、その“効果”が技術的に本当に成立するかは、AIには判断できません。
なぜならAIは「理解」ではなく「統計」で動く。
“意味”ではなく、“パターン”をなぞっているにすぎないのです。


■ AIが得意なのは「探すこと」
一方で、希望も見えました。
特許検索のように、大量のデータから共通点を抽出する作業は、AIの独壇場です。
関連技術を横断的に探すスピードと精度は、人間の何十倍も速い。
つまり、AIが不得意なのは「考えること」であり、得意なのは「広く見渡すこと」。
■ 弁理士がAIと組むとき、何が起こるか
AIに下調べやドラフトを任せ、人間が“本質の翻訳者”として仕上げを行う。
そうすれば、弁理士は「言葉を整える人」から「発明を掘り下げる人」へ進化できる。
AIによって奪われるのではなく、むしろ解放されるのです。
■ AIで仕事は減らない。むしろ「鬼に金棒」だ。
AIを使えば、検索も分析も下書きも加速します。
その先にあるのは「なくなる仕事」ではなく、「磨かれる仕事」。
AIは、弁理士に“金棒”を渡す存在なのです。
AIと共に、もっと柔軟に、もっと速く、もっと本質的に。
技術を言葉で守る時代は、これからが本番です。
明日からの一歩、私ならできる!
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