書けば書くほど深みにはまる。特許は「書類」じゃなく、「未来を守る戦略図」だった。
1.弁理士との出会いが、知的冒険のはじまり
「うわっ、特許ってこんなに難しいの!?」——これが、僕が初めて申請資料を見たときの正直な感想だ。
スタートアップを始めてしばらくして、弁理士さんと議論する機会が増えた。これが思っていた以上に楽しい。彼らは技術にも強く、何よりも「守る視点」を持っている。こちらが思いつきで言ったことを、数分で法的に整理してくれる。まさに“言葉のエンジニア”だ。


2.「自分で書けるかも?」という甘い幻想
ある日ふと疑問が浮かんだ。
——「これ、自分で書けるんじゃない?」
実際、世の中には自分で特許明細書を書く起業家もいる。
確かに、技術を一番理解しているのは自分だし、費用の節約にもなる。
そう思って、僕もチャレンジしてみた。
……結果、すぐに後悔した。
3.特許の世界は「言葉の戦場」だった
書き方がめっちゃ特殊。
「この発明は〇〇に関するものである」から始まり、「請求項」「実施例」「課題」「効果」など、形式も言葉遣いもまるで法廷文書のよう。
さらに、「範囲を広く、スキがないように」書かないといけない。つまり、今の発明だけでなく“未来の展開”や“他社の抜け道”まで想定して、布石を打つ必要がある。
1つの特許の中で、まるで戦略会議が行われているような感覚。
「2件に分けた方がいいか?」「いや、一つにまとめて主張した方が強い?」——そんな思考の応酬が続く。
4.弁理士は“知財の軍司”だった
この過程で気づいた。
弁理士さんは“法律の専門家”というより、“知財戦略の軍司”だ。
未来の市場、競合、そして訴訟リスクまで見据えて、言葉を配置していく。
その姿はまるで、見えない戦場で布陣を組む司令官。
これを自分だけでやる?
正直、僕は無理だった。
もちろん、自分で書ける人もいる。
でも僕は「やめておいた方がいい」と思った。
理由はシンプル。特許資料は「書くもの」ではなく、「練るもの」だから。
5.プロと組むことで見える、技術の本質
弁理士さんとの議論を通じて、僕は自分の技術の“本質”を改めて理解できた。
相談料はかかる。でも、それは“未来への投資”だと思っている。
特許は一人で戦うものじゃない。仲間として、弁理士と一緒に進むものだ。
特許を出すというのは、発明を守るだけじゃない。
自分のビジョンを言葉にする行為でもある。
そのプロセスを通して、僕は自分の事業をもう一度見つめ直せた。
6.明日への一歩
特許の世界は奥深く、孤独になりがちだ。
でも、信頼できる専門家と組めば、道は見えてくる。
——そして今、確信している。
「私ならできる!明日から踏み出す」
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