驚きの一歩
「えっ!? システムって、ローンチして終わりじゃないの!?」
ベンダーとして働いていた頃の私は、そう信じて疑わなかった。要件を定義し、範囲を区切り、その中で最高のコードを書く。ローンチの日はゴールテープを切る瞬間のように感じられた。けれども、その後の世界を私はまるで知らなかった。
ベンダーの役割と限界
ベンダー時代の私に与えられた使命は明快だった。「決められた範囲の中で、最適なものをつくること」。それ自体は楽しかったし、エンジニアとして腕を磨くには十分だった。ただ一方で、プロジェクトがローンチした後の姿は、まるでカーテンの向こうに隠されているかのように見えなかった。
どれだけ要件通りに作られていても、本当に運用にフィットするかどうかは未知数。要件定義自体も、現場の運用を考慮しているかといえば、必ずしもそうではない。そこに、私の中で小さなモヤモヤが生まれていた。
コンサルで見えた新しい景色
そのモヤモヤが晴れたのは、コンサルタントとしてプロジェクトに入るようになってからだ。驚いたことに、コンサルの現場では要件定義から開発、ローンチ、そして運用フェーズまで一気通貫で関われることがある。しかも、プロジェクト全体をコントロールする立場として議論をリードできるのだ。
そこで初めて、ローンチの「その後」を肌で感じた。ユーザーがどんなふうに使うのか、現場でどんな課題が起きるのか。システムが本当に価値を生み出す瞬間は、むしろそこから始まるのだと実感した。
「運用を見られる」喜び
特に嬉しかったのは、運用を自分の目で見られること。ローンチで終わりではなく、改善を重ねて最適化していくプロセスに立ち会える。システムは生き物であり、利用され続ける中で本当の姿を現す。その全体感を感じながら開発できることこそ、私がずっと望んでいた世界だった。
ベンダー時代は「ここまで」と線を引かれていた範囲。しかしコンサルになって気づいたのは、「やろうと思えば、こんなところまで関われるんだ!」という自由さだった。これこそがコンサルの醍醐味だ。
結論──私ならできる!
振り返れば、ベンダー時代に積み上げたスキルがあったからこそ、コンサルとして広い視野でプロジェクトを動かすことができた。そして今、私は確信している。システム開発の本当のゴールは、ローンチの先にある。そこまで含めて最適化することが、私のやりたかったことだったのだ。
だから私は胸を張って言いたい。「私ならできる!明日から踏み出す!」と。
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