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えっ、まだ使ってたの!?  システム屋が「システムを終わらせる」ときに起きる、静かで大きなドラマ

システムを終わらせるとは?


システム導入は華やかなスポットライトを浴びる場面ですが、

実は、その“終わらせる”瞬間こそ、最も神経を使うのがシステム屋の仕事。

私がこれまで関わってきたプロジェクトの中でも、いちばん難しかったのは、
長年使われてきたシステムを終了するタイミングでした。


「終わり方」が問われる時代に

新しいシステムを導入するベンダーは多いですが、
古いシステムを“きちんと終わらせる”サポートをするベンダーは少ないのが実情です。

特に注意しなければならないのは、契約まわり。
システムの稼働を止めて、「はい、終わり」とサーバを落としたはいいけれど、
あとから気づくのです。

「あっ、保守契約が残ってた…!」

動いていないのに、毎月の支払いだけが続いている——
そんな事例は珍しくありません。


システムの“ユーザー”という壁

でも、それよりもっと難しいのが、利用者を説得すること。

長く使われてきたシステムには、必ず“愛用者”がいます。

「このシステム、私の業務には欠かせなくて…」
「新しいシステムで、ちゃんと私のやっていることができるんですよね?」

言っていることは、よく分かります。
でも、物理的に全く違うものに置き換わることもある。

それはまるで、

  • ガラケーからiPhoneへ

  • 黒電話からスマホへ

  • 手紙からメールへ

機能の代替性だけでは説明しきれない“感覚の違い”があるのです。


どこで止める?開発“前”か、“後”か?

難しい判断がもう一つあります。
それは、「いつ止めるか」というタイミング。

  • システム開発前に止めると、触れていないので代替の完成度が分からず不安を煽る

  • システム開発後に止めると、「ここが違う、あれが足りない」と不満が噴出

しかも要件定義の段階で
「これはもう不要ですね」と言っていた機能も、
いざ止めようとすると…

「やっぱり、これ無いと困るんですけど」

なんて声があがる。


システム屋に求められる「終わりの交渉術」

だからこそ、システム屋には“交渉の技術”が必要です。

  • 相手の不安を汲み取り、

  • 新システムの利点を噛み砕いて伝え、

  • 未来の使い方に希望をもたせる。

単なる置き換えではなく、“働き方”の変化を一緒に設計することが大事なんです。


結論:「終わらせ方」も、プロの仕事。

派手なリリースよりも、静かに幕を引くときの方が
よほどシステム屋の力が試されるのかもしれません。

でも、私はそれを「難しさ」ではなく「やりがい」と捉えたい。

アンケートでおこづかい稼ぎ 
 

明日からの一歩、私ならできる!

あなたが古いシステムの“終わらせ方”に悩んでいるなら、
まずは一歩、動いてみてください。

システムの終わりは、新しい仕組みの始まりです。

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