金融システムから学ぶ“データ連携”の真髄と、明日からできる小さな一歩
「えっ!?振込って実はお金が動いてない!?」
そんな話を聞いて、思わず身を乗り出したのが数年前。銀行口座にお金が振り込まれるたび、物理的に「お金」がどこかから飛んできていると思っていた私にとって、それは衝撃的でした。
でも、その裏側にあるのは、「システムとシステムがつながっている」からこそできる、驚くべき世界。日本では、実に何十年も前から、こうした「つなぐ仕組み」を緻密に、丁寧に作り上げてきたのです。
システムをつなぐ、という発想
私たちの周囲には、あらゆるシステムが存在します。
空調、セキュリティ、勤怠管理、購買、在庫、経理…その多くが個別に存在し、時にはバラバラに管理されています。
でも、それらが“つながったら”どうでしょうか?
勤怠データが自動的に給与計算につながり、在庫情報が購買部門にリアルタイムで共有され、さらにはAIが最適な発注時期を提案する。
そう。システムを「つなぐ」ことで、企業も社会も一気に効率化されるのです。
つなぐために必要な“見えない条件”
とはいえ、ただ物理的にケーブルをつないだだけでは、システムは動きません。
-
両方のネットワークがきちんと通信できること
-
そもそも連携できるインターフェースがあること
-
データ基盤が共通であること
-
データ形式や規約が揃っていること
こうした前提条件が、地味だけれどとても大切なんです。
先人たちが切り拓いた“金融の世界”
この「つなぐ力」を何十年も前から実現していたのが、金融の世界です。
各銀行のシステム、そして日本銀行(日銀)をつなぐ「全銀システム」。
たとえば、私たちが銀行で「振込」をするとき、実際にお金が物理的に移動しているわけではありません。
「〇月〇日、〇〇銀行の〇支店・〇〇口座から、△△銀行の△支店・△△口座へ△円振り込む」というデータをやりとりしているだけ。
その後、決済日に各銀行の口座間で、合計金額を一括で精算する──それが全銀システムの仕組みです。
そして、この巨大な仕組みを支えているのが「システムの規約」です。
システムを動かすのは、“人の意思”
この全銀システムの規約は、AIではなく、人が考え、人が整えてきたもの。
新しい技術が登場しても、根本は変わりません。
システムを連携させるには、「こうしたい」「こうつなぎたい」という思いを持った人が必要なのです。
明日から一歩を踏み出すために
私は思います。
「複雑なシステム連携なんて、プロに任せるもの」と思いがちだけど、実は一人ひとりが「つなぐ力」を持っているのだと。
ちょっとした“つなぎ目”を意識するだけで、業務が、社会が、そして自分の仕事が大きく変わるかもしれません。
私ならできる。あなたも、きっとできる。
さあ、明日から一歩を踏み出そう。
コメント
コメントを投稿