成功の影と居場所喪失、そこから見えた大企業の真実
「えっ!? 登壇できたのに、仕事がなくなった!?」──この一文に、私のここ数年の経験は凝縮されている。
栄光の瞬間
私は事業会社のシステム担当として、グローバル規模の難易度の高いプロジェクトを成功させた。システム的にも、他社が実現できていなかったことを形にし、AWSにまで認められ、ついにはAWSの公式イベントで登壇する機会を得たのだ。
会場からの拍手、グローバルのメンバーからの「Great Job!」という声。自分のキャリアの中でも、まさに最大級の成果だった。
予期せぬ落とし穴
しかし、その裏で私は重大な「落とし穴」に落ちていた。
プロジェクトに集中しすぎるあまり、組織改正や新規採用の流れにまったく神経を使っていなかったのだ。気づけば、日本で私一人だったグローバルチームに、インドから新しいメンバーが入っていた。さらに、日本のシステム担当の上に新しく入ったマネージャーが外国人の採用を進めており、私のポジションは組織間のはざまに吸い込まれていった。
結果、私は半年間、ほとんど仕事がない「窓際族」を味わうことになった。驚くべきは、その状況に陥ると、なぜか周りの人も少しずつ距離を置いていく感覚を持ったことだ。
窓際族の真実
世間では「窓際族=やる気のない人」と思われがちだ。しかし、私はそこで気づいた。
窓際族とは、やる気がなかった人ではなく、むしろやる気をもって大きな成果を出したがゆえに、組織の調整のはざまに落ちた人たちなのだ。
ある先輩にこう言われたことがある。
「事業部をまたぐような大きなプロジェクトをやり切ると、その後会社での居場所がなくなる」
まさに、その通りだった。
大企業のリアル
大企業で大切なのは、プロジェクトをやり遂げることではない。
周りを見ながら調整を重ね、組織の動きに合わせて生き抜くこと。グローバル化が進む中では、ポジションを奪うのは日本人ではなく、むしろ外国人だ。
考えてみれば自然なことだ。グローバル企業とは、常に最適なリソースを世界から引き入れる存在だからだ。
そして、次の一歩へ
半年後、ようやく次のポジションが見つかり、再び折り合いがついた。だが、この経験から学んだことは大きい。
「成果を出すこと」と「会社で生き抜くこと」は、似て非なるものだ。どちらも意識できてこそ、本当の意味でのキャリアになる。
でも、私は挫けない。むしろ、今だからこそ強く言える。
「私ならできる!明日から踏み出す!」
コメント
コメントを投稿