2000年、経営工学と統計学のあいだで揺れた学生時代——そして今、あの研究が現場とつながる日を夢見て。
🧩 序章:「えっ!? 何を抜き取ればいいの!?」
「えっ!? 何を抜き取ればいいの!?」——今でもその問いを思い出す。
大学院で研究していたのは「抜き取り検査方式」。100個の製品を作っても、全部を検査することはできない。では、いくつを抜き取れば品質を保証できるのか? その“正解のない問題”に、当時の私は頭を抱えていた。
🎓 第一章:応用統計学と経営工学の狭間で
私がいたのは、経営工学部。研究テーマは「応用統計学」。企業に使われる研究をしたい——そう意気込んでいた2000年のことだ。時代はちょうど、トヨタ生産方式の次に“日産方式”が注目を浴び始めた頃。
日本が「モノづくり」で世界を席巻した栄光から数十年。私たちは、その余韻を学問の中で追いかけていた。
経営工学で扱うのは、物流、製造、ライン設計——どれも「現場」がベースのテーマ。でも、当時の私が実際に触れていたのは、数式と統計表、そしてシミュレーションソフトだった。
💻 第二章:激動のIT時代と“アナログな研究”
一方で、世の中は猛烈なスピードで変わっていた。コンピューターのメモリやCPU、HDDが、半年ごとに倍速で進化していく激動のIT黎明期。
にもかかわらず、私は“コンピューターの進化に影響されない研究”として抜き取り検査を選んでいた。
正直、難しかった。どのように企業で使われるのか、学生の自分にはイメージできなかった。
「こんなときに、工場見学とか行っておけばよかったな…」と今でも思う。
🏭 第三章:現場で見た“確率より経験”の世界
あれから20年以上経ち、私は製造企業の現場にいる。驚いたことに、抜き取り検査の数——確率ではなく“経験と勘”で決まっている。
あの頃、必死に作ったモデルも、現場ではほとんど使われていない。
でも、思うのだ。
あの研究が“使えるツール”として残っていたら、もっと製造業に役立てたかもしれない、と。
🔗 第四章:研究と企業、その“断絶”を越えて
研究と企業のあいだには、長いあいだ“断絶”があった。
でも、今は違う。データが現場からリアルタイムに上がる時代。研究と実務がつながる環境が、ようやく整ってきた。
あの時の「よく分からない中での設計」も、今では確かに意味がある。
“理解できない経験”こそが、未来の実践に変わることを教えてくれた。
🚀 結章:世界はつながっている
大学で学んだことを、今こそ活かそう。
世界はすべてつながっている。
——明日からの一歩、私ならできる!
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