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8月, 2025の投稿を表示しています

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「システム構成図はサファリパーク!?」──動物たちが踊るITの世界

驚きの出会い 「うわっ、動物園か!?」 ある日、ベンダーから新規システムの構築説明を受けていたときのこと。大きなスクリーンに映し出されたシステム構成図を見た瞬間、横にいた上司が思わず声を上げた。 「なんやこれ!?」 確かに、そこには想像を超えた光景が広がっていた。左側には顧客用ディスプレイ、右側にはDataBaseや他社システム。そして中央から下にかけて、無数の“動物”たちがちょこんと並んでいる。しかも、その中には蝶ネクタイをつけたおじさんのイラストまで混ざっているのだから、混乱しない方がおかしい。 動物たちの正体 気になって後でGPTに調べてみると、どうやらこれはIT界隈でおなじみの「システムアイコン文化」らしい。 🐼 Pandas:Pythonのデータ分析ライブラリ 🐃 GNU:フリーソフト界の代表、ヌー 🐘 PostgreSQL:堅牢な象 🐍 Python:おなじみのヘビ 🐘 PHP:青いカバの「Elephpant」 🦊 GitLab:タヌキっぽいキツネ 🦊 Firefox:地球を巻く狐 🐳 Docker:コンテナを積んだクジラ ⚓ Kubernetes:船の舵輪 なるほど、ベンダーはこれらの象徴を組み合わせ、構成図を「視覚的に楽しく」しようとしたらしい。 動物の配置に意味がある!? 議論はさらに深まった。 「Dockerを下に置いて、その上にPythonを動かし、さらにPandasを載せると、クジラの背中で蛇とパンダが踊っているみたいになるんですよ」 確かにイラストを見れば、クジラの背に蛇とパンダが仲良く乗っている。逆にDockerを右に置くと、全体のバランスが妙に不安定に感じる。まるで動物たちの“棲み分け”に哲学があるかのようだった。 私は思わずベンダーに質問してしまった。 「この象の隣にキツネを置くのは、どういう意味ですか?」 するとベンダーは笑顔で答えた。 「象(PostgreSQL)は堅実、でもキツネ(GitLab)は俊敏。対照的に置くことで、構成図から役割の違いが直感的に伝わるんです」 なるほど! 技術的に正しいだけでなく、見せ方の工夫でチーム全体の理解度も変わる。まるでシステム構成図が“物語”を語っているようだった。 上司の一言と気づ...

「上司にKISSされた日!?」──スペイン人上司から学んだシンプル思考の力

 驚きの呼び出し 「えっ!? 上司にKISS!?」 思わず耳を疑うようなフレーズですが、これは恋愛話でも武勇伝でもありません。私がキャリアのある一日、スペイン人の上司に呼び出されて学んだ、人生を変えるほどの一言の話です。 その日も私は、グローバルのCRMを日本市場に適用するという難しいプロジェクトに没頭していました。インドのベンダー、日本のベンダー、そして社内の各部署をつなぐ“Technical Project Lead”として、日々フル回転。プロジェクトが遅れないよう気を張り、夜遅くまでメールとコードと会議に追われる毎日でした。正直、難しいプロジェクトには慣れていたはずなのに、今回はどこかうまく回らない。じわじわと低迷の影が差していました。 スペイン人上司からの問いかけ そんなある日、リードであるスペイン人上司に呼び出されました。 「いろいろ問題はあるが、どう思う?」と聞かれた私は、必死に前向きさをアピールしました。 「難しいですが、頑張っています。挽回できると思います」 すると彼はじっと私を見つめ、こう言いました。 「お前はKISSを知っているか?」 頭の中に「???」が並びました。KISS? キス? いやいや、そういう関係じゃない。何を言っているんだろうと困惑する私に、彼はニヤリと笑って答えました。 KISSの意味とは 「Keep It Simple, Stupid」 彼は続けました。 「複雑なものを複雑にしすぎるな。シンプルに考えろ。ごちゃごちゃしているものは一度静観して、後ろから全体を見て整理しろ」 その瞬間、頭の中で何かが“カチッ”と音を立てた気がしました。夜遅くまで必死に細部を追いかけ、問題を抱え込んでいた自分。複雑な糸をほどこうとするほど絡まっていく毎日。そんな時に浴びせられた「KISS」というシンプルな一言。頭がポカポカするような感覚に包まれました。 視点が変わる瞬間 それから私は、複雑に絡まった課題を前にすると「KISS」を思い出すようになりました。冷静に後ろから眺めてみると、本当に重要な部分は実は限られている。そこを解決すれば、他は自然とついてくる。無理に全部を抱え込む必要はない。 あの一言がなければ、私は今も「複雑さの迷路」の中でもがき続けていたかもしれません。シンプルにする勇気。それは技術者...

転職活動の裏側!公園のベンチで面接した私の物語

王道から裏ワザまで、転職のリアルを語る ― 「えっ!? 昼休みに公園のベンチで電話面接!?」 はい、それが私の初めての転職活動のリアルな姿でした。 🌐 転職にはいろんなやり方がある 転職活動と一口に言っても、その方法はさまざまです。 一番の王道は 転職エージェントに登録して、求人を紹介してもらう こと。エージェントは企業との間を取り持ち、履歴書添削や面接対策までしてくれる強力な味方です。 一方で、あまり表には出ないのが 知人・同僚からの引き抜き 。特に上の役職になると、このケースは意外と多く、「声がかかる」こと自体がキャリアの証明のような意味を持ちます。 最近では LinkedInなどSNS経由で直接声がかかる ケースも増えています。グローバル企業ではこの方法が一般的になりつつありますね。 📞 私の最初の転職活動はエージェントから そんな多様な手段があることを知らなかった私は、迷わず転職エージェントに申し込みました。 当時はまだZoomのようなオンライン面談は一般的ではなく、やり取りは電話が中心。面談の多くは 残業後の夜遅く 、もしくは 昼休み に設定されていました。 オフィスを抜け出して、裏路地や公園で電話面談を受けたこともありました。周囲に人がいないか、同僚に見つからないか、ドキドキしながら話していたのを今でも覚えています。 🏃‍♂️ 面接は企業の時間に合わせるしかない エージェントとの面談は柔軟でしたが、企業との面接はそうはいきません。 基本は平日日中なので、私は 半休や早退をとって対応 。ときには昼休みを削ってタクシーで面接会場に向かったこともありました。 必死にスケジュールをやりくりしたものの、結果は…落選続き。 「自分の実力不足なのでは?」と落ち込んだ時期もありました。 🔑 本当の原因は「得意分野の不一致」 しかし振り返ってみると、問題はスキル不足ではなく 応募先企業の求めるスキルと私の強みが噛み合っていなかった だけ。 当時の私は「システムのPM経験」を必死にアピールしていましたが、そもそも自分の得意分野を明確に言語化できていなかったのです。 転職で一番大切なのは、 自分の得意分野を知り、それを活かせるフィールドを選ぶこと 。そうでなければ、たとえ採用されても苦しむのは自分自身です。 空...

システム屋+英語=年収倍増!? 驚きのキャリアブレイクスルー

「すごい人」を見てきたけど… 「えっ!? なんでこの人がこんなに安い給料なんだ!?」──システム屋として働く中で、私は何度もそう感じてきました。 私はプログラマーから始まり、フルスタックの一歩手前まで。PMやEnterprise Architect、DX Leadも経験し、いわゆる“なんでも屋”のキャリアを歩んできました。周囲には、各Roleで突出したプロもたくさんいました。圧倒的なインフラ屋、チームを率いるすごいPM、組織を動かすリーダー…。 でも、その人たちが必ずしも報われていない現実を、何度も目の当たりにしました。 年収を分けた「たった1つの差」 では、彼らと私を分けたものは何か。 それは「英語」でした。 正直に言うと、私は“超テクニカル”ではありません。それでも英語を話せるだけで、年収は倍増しました。もちろん英語だけではありませんが、英語を使えることで得られる機会は爆発的に増え、転職における交渉力も格段に上がったのです。 そして思ったのです。 「この人、英語が話せるだけで給料倍になるのにな…」と。 英語は難しい?──いや、むしろ日本語より簡単! 英語は日本語に比べて何倍もシンプルな言語です。私たちは義務教育で基礎は学んでいます。あとは“しゃべる勇気”さえあれば、確実に伸びます。 ・文法の複雑さも、日本語ほどではない ・単語もシンプルで論理的 ・発音は慣れさえすれば怖くない 結局、必要なのは「失敗を恐れずに話す勇気」だけ。 キャリアを変えるのは「明日からの一歩」 今の私は英語を武器にしながら、システム屋としてのキャリアを再設計しています。周囲の仲間が日本語だけで戦っている中、私はグローバルのプロジェクトに参加し、報酬も役割も倍増しました。 だからこそ強く言いたいのです。 「英語は、キャリアと人生を変える最強のレバレッジになる」と。 そして最後に── 私ならできる!明日から踏み出す! あなたもその一歩を、今日から始めてみませんか? 空いた時間でお小遣いを貯めよう!「アイリサーチ」       ✅まとめ システム屋としてのスキルだけでは差がつきにくい 「英語」があれば、年収もキャリアの幅も一気に広がる 日本語より簡単!あとは“話す勇気”だけ

フルスタックのさらにその先へ!──“全部できる人”の時代は終わらない

驚きの始まり 「えっ!? フルスタックなんて言葉、昔はなかったんだよ!」 システム屋としてキャリアを歩み始めたころ、そんな概念すら存在していませんでした。当時は「SE」という大きな括りの中で、プログラマー、インフラ担当、ネットワーク担当と、まるで将棋の駒のように役割が分かれていたのです。 プロジェクトごとに変わる“席替え人生” 配属はプロジェクトごとに決まるのが常識。今回はプログラマー、次はサーバ担当、その次はテスト要員。そんなふうに、私はさまざまなチームを転々としてきました。大企業・日立にいたこともあり、扱う業務は幅広く、SEという肩書きは実に奥が深いものでした。 当時は、サーバ管理の達人、ネットワークの神様、DBの第一人者といった“その道のエース”が必ずいて、チームは彼らを中心に動いていました。そんな中で「いろんなことを少しずつ分かる人」が存在し、その人たちはいつの間にかPM(プロジェクトマネージャー)へと成長していったのです。 分業の進化、そして“フルスタック”の誕生 やがてPMという役割が「専門職」と認識されるようになりました。サーバ、ネットワーク、DB、それぞれの専門家を組み合わせることで、プロジェクトは格段に成功率を高めていったのです。 その一方で、「全部をある程度理解していて、どこでも戦える人」を人々は“フルスタック”と呼ぶようになりました。そう、分業化が進めば進むほど、逆に“横断的に全部見られる人材”の価値が上がっていったのです。 フルスタックのさらに上とは? では、フルスタックこそ最強なのでしょうか? いいえ、実はその上が存在します。PM?──いえ、それもまた違います。 フルスタックは「現場で戦えるオールラウンダー」ですが、さらに上には“ビジョンを描き、仲間を動かし、技術を超えて組織や社会を変えていく人”がいます。そうした存在こそ、真の意味での“次世代型エンジニア”なのではないでしょうか。 空いた時間でお小遣いを貯めよう!「アイリサーチ」     明日からの一歩 振り返れば、私自身も数え切れない担当替えや役割を経て、学びを積み重ねてきました。その経験こそが今の私を形作っています。 だからこそ、私は思います。 「フルスタックのその先」──そこにこそ、未来の可能性がある。 私ならできる!そして...

「システム屋、転職で人生変わる!?」──現役エンジニアが語る“動く勇気”のススメ

転職市場は今、熱い! 「えっ、今の会社辞めても、次がすぐ決まるの!?」──こんな衝撃の一言を聞いたとき、私は思わず背筋が伸びた。 転職市場は近年活発化しており、IT系も例外ではない。システムエンジニアの需要は高止まりしており、優秀な人材には多くの選択肢がある時代だ。 競争は激化。でもチャンスも大きい 確かに昔から、中国やベトナムの格安ベンダーが存在し、システム開発の競争は激しい。 「仕事が奪われるのでは…」と不安になることもあるだろう。しかし一方で、システム化のニーズはますます広がっている。業務の自動化、データ活用、クラウド移行──カバーすべき領域は増えるばかりだ。 フルスタックはまさに引く手あまた 仕事の量は十分にある。特にフルスタックエンジニアやクラウドに強い人材は、転職市場でも高く評価され、好条件のオファーが多数舞い込む。 しかし、転職が必ずしも最適解ではない。社内に残っていても、プロジェクトが変わるたびに新しい環境や課題に挑戦することになるからだ。転職もプロジェクト移動も、経験としては大差ないのだ。     動く勇気が未来を変える だからこそ、自分の評価が正当にされていない、または新しいことに挑戦したいと感じるときは、転職も視野に入れて行動してみる価値がある。 責任を取るのはいつだって自分自身。チャンスも失敗も、自分次第だ。 結論として──迷ったらまず一歩踏み出そう。新しい職場かもしれないし、次のプロジェクトかもしれない。どちらにせよ、私ならできる!明日から、動き出す勇気を持とう。

「SIerって何!?」から始まった私のシステム業界への道

― 情報不足の就活を、モノづくりへの想いで切り抜けた ― 「うわっ!会社の仕組みがさっぱり分からない!」 これが、就職活動を始めたばかりの私の正直な気持ちでした。 新人としてどこからキャリアをスタートするかは、人生の中でも大きな決断です。しかし、そんな重要な判断を下すには、圧倒的に“会社の情報”が足りなかったのです。 🎓 大学では企業情報が届かないという現実 大学で得られる企業情報といえば、アルバイト情報と大差ない程度。 高校時代に大学を選んだときは、山のようにパンフレットが高校へ送られてきて、多くの情報を比較できました。しかし、企業に関しては大学にはほとんど情報が来ない。学生自身がフェアやイベントに出向いて、自分で情報をつかみ取るしかなかったのです。 海外と比べれば日本のほうが情報は得やすい状況でしたが、それでも理系の私が接触できた企業は偏っていて、目にするのはシステム系コンサル、ソフトウェア会社、大手のSIerばかりでした。 🤔 「SIerって何?」からの混乱 当時は「SES」という言葉はまだなく、「SIer」という耳慣れない言葉に頭を抱えました。 System Integrator──辞書的に意味は分かっても、実態が見えない。就活の面接では、その言葉をなんとか理解しようと必死に語っていたのを覚えています。システム業界の構造をきちんと理解できないまま、就職活動は進んでいきました。 🔧 立ち返ったのは「モノづくり」 そこで私が頼ったのが「モノづくり」というキーワードでした。 自動車会社のインターンシップに参加した経験もあり、最初は「やっぱり実際に形のあるものを作るのがいい」と考えました。しかし面接で落ち、道は閉ざされました。 その後も多くの会社を回り、最終的にたどり着いたのが日立でした。 最後の面接で私はこう話しました。 「モノづくりをして、技術を磨きたいです。」 そのとき、気づいたのです。 システムだって立派なモノづくりだ、と。 🚀 システムでモノを作る社会人の始まり パソコンやコンピューターには日常的に触れていた私。 形は見えなくても、システムも“誰かの役に立つ道具”を作ることに違いありません。 「ここでモノづくりを学んでいこう!」 そう決意し、私の社会人としての第一歩は始まりました。  ...

「システムが止まった!?」と思ったときに私がやること

日本人は“止まらない前提”に慣れすぎている 「うわっ!動いてない!?」 そんな瞬間、あなたはどうしますか? 日本で暮らしていると、システムが“止まる”経験って本当に少ないですよね。電車の券売機が動かない場面なんて、ほとんど見たことがない。もし使いにくさを感じても、すぐ横に駅員さんが立っていて、笑顔で助けてくれる。銀行システムだって、事前に「メンテナンス時間です」と通知される以外で止まっている光景は、まず見ません。 あの頃の「システム停止=大事件」 2000年頃、取引所のシステムが一度止まっただけで、新聞の一面を飾る大問題として報じられました。あのとき私はふと考えたのです。 「じゃあ、外国の取引所システムって、どのくらい安定してるんだろう?」 調べてみると、驚くべき事実が出てきました。 実はけっこう止まっているんです。なんと3カ月に1度くらいはトラブルが発生していて、オープンが少し遅れたり、一部の投資家だけアクセスできなかったり。 でも、それが新聞を騒がすことはほとんどありません。 なぜなら──「止まることが当たり前」という文化が根付いているからです。 外国製システムが日本にやってきた 最近は日本にも海外製システムが次々と導入されています。たとえばChatGPTのような生成AIサービス。便利だけれど、止まることもあるし、止まらなくても「え?この回答おかしくない?」という場面も珍しくありません。 つまり、世界標準は「システムは止まるもの」。 にもかかわらず、日本人は「止まらないこと」に慣れすぎている。だからこそ、止まった瞬間に焦ったり、イライラしたりしてしまうのです。 じゃあ、どうすればいいのか? 答えはシンプルです。 止まってもイライラしないこと → 「ああ、よくあることだ」と心の余裕を持つ。 呼吸を整えること → 一度目を閉じて、深呼吸。瞑想してみるのもありです。 そして、再起動 → 多くの場合、システムは戻ってきます。人間も同じ。リセットして次に進めばいいのです。 アンケートでおこづかい稼ぎ     明日からの一歩 システムが止まる瞬間は、自分の心を見直すチャンスでもあります。 「止まるのが当たり前。だからこそ、立ち止まった時間をどう使うか。」 私はそう考えるようになりま...

「バグは仕込めるの?」──新人時代の冷や汗ストーリー

YES、仕込めます(正確には“見逃せます”) 「うわっ!そんなことってある!?」 そう思わず声をあげたのは、私が新人時代に銀行システムの開発に関わっていた頃のことです。テーマはズバリ、「バグって仕込めるの?」。結論から言うと── YESです。 もっと正確に言えば、意図して仕込むというより「見逃してしまう」のです。私自身、まさにその経験をしました。 あの日の現場 まだ右も左も分からない新人の頃。担当したのは、銀行のWebシステムの一部。夜遅くまで先輩や同僚と机を並べ、必死にプログラムを書き続けていました。 テストも徹底していました。1ページにつき100個ものテストケースを用意し、思いつく限りのパターンを試しました。結果をエビデンスにまとめ、「よし、これで完璧だ」と胸を張れるほどやり切った感覚があったのです。 ふと気まぐれに入力した値 全テスト完了後、何気なく手が動き、気まぐれに値を入れてボタンを押しました。すると──「あれ?」。予想と違う画面が出てきたのです。 けれどその瞬間、私の頭の中は「でもテストケースは全部やった」「エビデンスもそろってるし、たまたまおかしくなっただけだろう」という自己防衛モードに突入。意識せず打ったため、どんな値を入力したかすら記憶していませんでした。 似たような値を試しに入れてみると、今度は正常な画面。やっぱり気のせいだろう──そう自分に言い聞かせ、そっと画面を閉じました。そして、その違和感は記憶のかなたに押しやられていったのです。 本番での冷や汗 翌週、システムは本番環境へ移行。本番受入テストでも異常は報告されませんでした。 ところが1週間後、銀行から一本の連絡が。「特定の操作で問題が出ているようです……」。送られてきた画面を見て、背筋が凍りました。それは、あの日“ふと見た画面”そのものでした。 冷や汗なのか脂汗なのか分からない、嫌な汗が流れました。黙って追加のテストケースを作り、修正版プログラムを急ぎ納品。あのときの緊張と反省は、今でも忘れられません。 バグとの向き合い方 あの出来事を振り返って思うのは、「完璧なテストなど存在しない」という事実です。人が作る以上、必ず見逃しやバグは起きる。大事なのは、それを正面から受け止め、次に活かす姿勢なのだと思います。 あの経験を境に、私は「偶然の違和感を軽...

仕様書って絶対じゃない!? システム開発のリアル物語

書いてあることだけ信用するな、自分を信じて進め! 「えっ、これ本当に動くの!?」──新人の頃、深夜オフィスで開いた仕様書に思わず叫んだ瞬間です。システムって、仕様書通りに作るものだと思っていました。でも答えは、YESでもありNOでもあります。基本は仕様書通りに作ります。でも、それだけでは動かないことも多いのです。 仕様書と現実のギャップ まず、開発チームは多段構造になっていることがほとんど。仕様書を書く人、プログラムを書く人、テスト担当……それぞれ役割が分かれています。ユーザーからヒアリングして作ったドキュメントだとしても、どこまで信用できるかは別問題。書き間違いや認識のズレ、実現が難しい内容も少なくありません。 例えば、「いや、こんなんできるか!?」という仕様や、具体性がゼロの指示もあります。そして最悪なのは、「今のシステムと同じにしてください」という文言だけ。これ、考えることを完全に放棄しているとしか思えません。こういう場合、プログラマーは仕様書に従うだけではなく、自分で考え判断して進める必要があります。 新人時代の衝撃体験 私も新人の頃、ある深夜に先輩に相談したことがあります。「この仕様、こんなやり方で大丈夫ですか?」と聞いたら、先輩は笑いながらこう答えました。 「本当は追加料金もらいたいんですけどね、サービスで良いように作っておいてあげます」 その瞬間、真夜中のオフィスで大爆笑。もちろん、その場でそのまま作業を進めましたが、心に刻まれたのは「仕様書だけが絶対じゃない」という事実でした。こうやってチームメンバーの善意や知恵、経験の積み重ねで、システムは形作られていくのだと実感した瞬間でした。 仕様書通りじゃなくても前に進む 仕様書に書かれていることはあくまで「道標」に過ぎません。書かれていない部分は、自分の判断で埋める必要があります。仕様書と違う方法でプログラムを書いたとしても、後でレビューやテスト、場合によっては仕様書の修正を行えば問題ありません。重要なのは、信頼できる仕様書だけに依存せず、自分の判断を信じて前に進むことです。 善意と知恵で支えられる開発 開発現場では、こうした小さな調整や知恵の積み重ねが何百、何千と重なり、やっとシステムが動くようになります。誰かの善意、経験、ちょっとしたひらめき。仕様書通りだけでは解決できな...

システムだって休みたい!?──「休息設計」のすすめ

24時間365日、止まらない幻想が生む“ぷすんぷすん”の危機 驚きの出発点 「えっ!?システムに休みなんているの?」 そう思ったあなた、ちょっと立ち止まって考えてみてください。 多くの人がこう考えます。 ――システムだから24時間365日動いていいんでしょ?問題ないんでしょ? でも実際は、そんな安易な発想で作られたシステムが世の中には山ほどあるのです。 システムが休むときとは? システム設計で重要なことのひとつに、「休む時間を考えてあげる」ことがあります。 「働き続けるわけです。休みなく」。 するとどうなるか? どこかで必ず限界がやってきます。 ある日突然、煙を出して「ぷすんぷすん……」と止まってしまう。 ――まあ、それは冗談ですが(笑)。 本当の問題は、 アップデートやチェック、クールダウンをするタイミングがなくなる ことです。 動きっぱなしのシステムには、これらを行う余白がありません。 そして「止められないから」という理由で後回しにした結果、ある日突然大きなトラブルに直面するのです。 バスのドライバーに学べ 今はシステムを二重化して、交代させながら運用するという考え方も広がっています。 ですが、交代するなら交代できるように設計をしておかなくてはなりません。 ほら、バスのドライバーだって走行中にいきなり別の人に変わったりしませんよね? 必ず車庫に戻って、引き継ぎをして、安全に交代します。 システム間でも、同じように“スムーズな交代”ができる仕組みを作る必要があるのです。 「勝手に動かしておけばいい」の末路 「システムは勝手に動かしておけばいい」――そんな設計思想で痛い目を見ている企業は少なくありません。 実際に私も数多くの現場を見てきましたが、ほとんどの場合「休息設計」を意識していないことが原因でした。 人間だって働き続ければ倒れるように、システムにも休息が必要なのです。 みんなにやさしい設計を システムにも休息を! それは単にメンテナンスの都合ではなく、利用する人、運用する人、そして未来の利用者すべてにやさしい設計へとつながります。 「システム=常に動くもの」という固定観念を一度壊し、どうすれば健全に長く働けるのかを考えること。 それこそがこれからの時代に求められるエンジニアの姿勢だと思いま...

「動いた!」の瞬間がやめられない──システム開発で一番ワクワクすること

ドキドキとワクワクが交差する。システム開発は不安と喜びのドラマだ。 最初に動くその瞬間 「うわっ、本当に動いた!」 この瞬間ほどシステム開発で心が震えることはありません。 何週間も、何ヶ月もかけて設計し、議論を重ね、コードを書き続けてきたシステム。 どれだけ準備しても、「初めて動かす瞬間」だけは独特の緊張感があります。 用意された環境にシステムを載せ、実行ボタンを押す。 頭の中では「大丈夫」と信じているけれど、心臓はバクバク。 このときばかりは、何度経験しても慣れることはありません。 問題は必ずやってくる そして、ほとんどの場合、スムーズには動きません。 いや、むしろ問題が出て当たり前なのです。 新しい環境に載せたとき、必ずといっていいほど見たことのないエラーに出会う。 「えっ、こんな動きするの?」「こんなメッセージ初めて見た…」 そんな瞬間が必ずやってきます。 ここで試されるのは、エンジニアとしての真価です。 慌ててドタバタするのか、それとも落ち着いて一つずつ確認していくのか。 近道はありません。 バグは一つひとつ潰していくしかないのです。 山場を越える喜び 問題が解決できる範囲のものなのか、それとも全く分からない未知の問題なのか。 最初の見極めこそが最大の山場。 仲間と一緒に画面を見つめ、ログを追い、推測を立てては試す。 その繰り返しの中で、一つずつ道が開けていきます。 やがて動き出すその瞬間。 「やった!」「これで行ける!」 オフィスに歓声が上がるときのあの高揚感。 何度経験しても、この瞬間は格別です。 自分たちが積み上げてきた努力が、ひとつの形として動き出す。 それこそがシステム開発の醍醐味なのです。 だから、また次へ みんなで考えて、作り上げたシステムが初めて動く日。 その場に立ち会えること自体が、エンジニアとしての幸せだと感じます。 確かに、大変なことも多い。 夜を徹してバグと格闘することもある。 でも、だからこそ「動いた!」の一言がたまらない。 今日もまた、未来の「その瞬間」に立ち会うためにコードを書き続けています。 空いた時間でお小遣いを貯めよう!「アイリサーチ」     明日への一歩 システム開発に近道はありません。 ただ、積み上げてきた努力が...

「システムが変える未来」──AIと人が織りなす次の時代へ

時代は繰り返す。システムは人の仕事を奪うのではなく、新しい未来を切り拓く力だ。 驚愕の瞬間 「うわっ、もうAIがここまでやるの!?」 最近、そんな声を耳にすることが増えました。AIが文章を書き、画像を生成し、さらには人間の判断までも肩代わりする。ニュースを見れば「AIで職がなくなる」と不安を煽る記事が並びます。けれど私は思うのです── これは本当に初めてのことだろうか? 時代は繰り返す 振り返れば、過去にも同じような騒動がありました。 それは50年前、パソコンやコンピューターが企業に導入され始めた頃。 当時、多くの人が「仕事が奪われる」と不安を抱きました。特に金融業界は大きな変革の波に飲み込まれました。証券業界では、東京証券取引所が「システム導入が遅い」と世界から叩かれた時期もありました。銀行でも大規模なシステム改修が進み、同時に統廃合の波が押し寄せました。 しかし、その裏側で膨大なシステム開発の需要が生まれ、何千人ものシステムエンジニアが夜を徹して働きました。そう、ITバブルという新しい産業のうねりが起こったのです。 変化が生んだもの 確かに、コンピューターの導入によって多くの仕事が姿を消しました。街を歩けば、閉店した店舗が並び、閑古鳥が鳴いていた時代もありました。 けれど、その後どうなったでしょう? 都市は再開発され、新しい街が立ち上がり、人々は新しい仕事やサービスを生み出しました。職を失った人がいた一方で、新しいチャンスを掴んだ人も数多くいました。 時代は変わったけれど、人はその度に適応し、未来をつくってきた のです。 AIは脅威か、それとも希望か? では今のAIはどうでしょう? 確かに、そのインパクトはコンピューター導入以上かもしれません。AIが一瞬で計算を終わらせ、調べ物をこなし、コミュニケーションまでも助ける。 でも私は、ワクワクしています。 だって、あの時も「不安」が「新しい可能性」に変わったから。今回もきっと同じです。いや、それ以上の未来が待っているはずです。     明日への一歩 システムに求めることは、単なる効率化ではなく 人の可能性を広げること 。 だから未来を変えるのはAIやシステムそのものではなく、 私たち一人ひとりの思いと行動 です。 小さな一歩でもいい。 「私ならで...