Renault物流研究所で気づいた、私の研究テーマの正体
「えっ!? これ、私の研究って“日本を研究すること”なの?」
そんな衝撃の一言から、私のフランス・Renaultでのインターンは幕を開けました。
■ フランスで始まった“経営工学としての物流研究”
Renaultでの私の役割は、**経営工学(Industrial Engineering)**の観点から物流を研究すること。
配属先は、Operations Research(OR)の物流チームと、人間工学(Ergonomics)の専門部隊が同居する特殊な部署でした。
さらに驚いたのは、そこで働く研究者の多くが大学の研究者であり、大学教授の指導を受けながら企業で研究する“産学連携インターン”の形を取っていたこと。
「日本でも、こんな仕組みがあればもっと産学協力がうまく回るのに…」
そう考えるきっかけにもなりました。
■ 物流の矛盾——工場は在庫だらけ、顧客は生産待ち
上司から与えられたテーマは、工場に在庫があふれる一方で、顧客は生産待ちを強いられているという“矛盾”の解決。
理論設計とシミュレーションソフトを使って、最適解を導く——まさに学んできたORの醍醐味です。
「勉強したことが生かせる!」
私は胸を弾ませて研究に取り組み始めました。
■ …のはずが。まさかの指示「日産生産方式を分析して!」
ところが次に届いた指示は、予想外のひと言。
「日産生産方式(NPW)を分析して報告してほしい」
なんと、物流問題はすでに日産が解決済み。
部品の流れを“順番通り”に制御して生産するNPWは、まさにその回答だったのです。
フランス・ベルサイユ郊外のRenaultで、
日本にルーツを持つフランス国籍の上司と共に、
日本・日産の生産方式を研究する——。
なんとも不思議で、少し誇らしい時間でした。
■ フランスが注目する、日本人のモノづくり
「確か、Renaultが日産を支援したんじゃなかったっけ?」
そんな背景を持つフランス企業が、今では日本の生産方式に強い関心を寄せている。
フランスから見ても、日本のモノづくりは依然として学ぶ価値がある。
その事実に触れるたび、日本の技術に対する誇りと責任感が、少しずつ自分の中で大きくなっていきました。
■ そして気づく——“自分の研究 = 日本を研究すること”
最初は戸惑いもありました。
でも、海外で日本の技術を深く学び、伝える役割を担えることは大きなチャンス。
この経験が、私自身の研究テーマを静かに形作っていったのです。
■ 明日から踏み出す一歩
フランスで学んだ産学連携の形、日本のモノづくりの価値、
そして“研究する意味”そのもの。
すべてが今の自分につながっています。
明日からの一歩、私ならできる!
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