動かない……
あの日の感覚は、今でも指先が覚えています。
システム屋人生の中で、最も強く残っているのは、やっぱり“最初に世の中に出したシステム”。
銀行の裏側で、今もあのコードが生きてるかは分からないけれど、街中でそのサービスの画面を見ると、つい立ち止まってしまう自分がいます。
構想より、完了を見届けたほうが記憶に残る
これまで大小さまざまなプロジェクトに関わってきました。
3年越しのものもあれば、半年で終わった案件もあります。
でもやっぱり、「最後までいたプロジェクト」ほど記憶に強く残ります。
そういう意味では、開発側にいたときの経験は大きかった。
Deloitteでは構想フェーズ中心で、作り上げる楽しみや思い入れはやや薄かった気がします。
日立時代、みんなで夜通し働いてローンチにこぎつけた案件――あれは特別でした。
でも、もっとも鮮明に思い出されるのは、最初のリリース当日のこと。
お客様先で、夜通し“立ちっぱなし”だった日
銀行向けの新システム、ローンチ当日。
私は現地に出向き、稼働状況の確認を任されていました。
でも、予定の時刻を過ぎても、動かない。
実際の障害箇所は自分の担当範囲じゃなかったんですが、立ち会っていた手前、「自分が責任を取らねば」と思い込んで、報告もできず、席にも座れず。
「座ってくださいよ」
と何度か言われたけれど、なんだか申し訳なくて、立ち続けてしまいました。
時間は刻一刻と過ぎ、深夜から明け方へ。
そして、午前6時、「動きました!」の一言。
思わず肩の力が抜けて、そこからやっと社内に報告を入れに戻ることができました。
緊張と不安と、でもそれ以上の達成感。
あの体験が、僕のシステム屋としての“原点”かもしれません。
今は画面が変わっていても、記憶は生き続ける
その銀行の画面も今ではすっかり刷新され、あの時のUIは残っていません。
でも、裏側の処理やロジックのどこかに、当時のコードがまだ動いているのかもしれないと思うと、なんだか誇らしい気持ちになります。
街で見かけるたびに、「あの日、立ってたな……」とちょっとだけ胸を張って振り返っています。
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私ならできる!明日から踏み出す
開発という仕事は、目に見える“作品”を残しにくいものです。
でも、画面の向こうには、確かに“自分が関わった”という手応えが残っています。
あなたのつくるシステムも、誰かの生活の一部になっているかもしれません。
そう思えるだけで、今日もコードに向き合う理由になります。
私ならできる!明日から踏み出す。
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