英語が通じない悔しさと、ユーモアで空気を変える力に気づいた日
🚍 静寂のバスで始まった“沈黙の旅”
「うわっ、マジか…!?」
バスの頭上から、突然“足”が降ってきた。しかも靴のまま。——それが、僕のカナダ横断の思い出の一幕だ。
当時の僕は、ワーキングホリデーでカナダを旅していた。英語はまだ拙く、会話のたびに緊張する。そんな中、長距離バスでの数日間は、まるで“沈黙の修行”のようだった。
窓の外に広がる雄大な景色。草原、湖、遠くに見えるロッキー山脈。だけど、隣に座る人とはほとんど言葉を交わせない。
話しかけたい。でも、言葉が出てこない。
結局、旅を楽しむというより、“会話できない自分”と静かに向き合う時間が続いた。


😣 英語の壁と、降ってきた“足”の衝撃
そんなある夜、タチの悪い人たちが乗ってきた。後ろの席から何か話しかけられたが、何を言っているのか分からない。とりあえず笑顔でうなずき、関わらないようにした。
ところが次の瞬間、僕の頭の上に「ドンッ」と足が出てきた。
彼は靴のまま、足を前の席に投げ出して寝転がっていたのだ。
驚いたけど、英語で「やめて」と言う勇気が出ない。
ただ、嫌な顔をして小さく体をずらした。
情けないけれど、どうしようもなかった。
💬 一言のユーモアが変えた空気
次の停車駅で人が増え、隣には若い女性が座った。
そしてその彼女が、後ろの“足の男”に何かを言った。
——その瞬間、バスの中が笑いに包まれた。
どうやら彼女は、ユーモア混じりに皮肉を言ったらしい。
その一言で男は照れ笑いしながら、すぐに足を下ろした。
英語の上手さだけじゃない。
彼女の言葉には「場を和ませながら相手を動かす力」があった。
それを見て僕は、自分が目指す“英語力”のゴールが変わった。
🌎 英語より大切な“伝わる力”
英語ができるようになりたい。
でもそれ以上に、「人を思いやり、状況を変えるコミュニケーション」を学びたいと思った。
カナダの広大な夜空を見上げながら、僕は心に決めた。
次は、話せる自分で挑戦しよう。
英語の壁を超えて、“伝わる力”を身につけたい。
——私ならできる。明日から、一歩踏み出そう。
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