フランス語ゼロから3カ月で企業研修へ。語学学校で出会った“多様な仲間たち”との日々。
【1】マダムの叫び声で始まったフランス生活
「ぎゃーーーっ!」
突然のマダムの叫び声に、心臓が飛び出しそうになった。フランス到着初日、ホームステイ先のマダムが何かを訴えている。でも、何を言っているのか全くわからない。英語も通じず、ただ立ち尽くす僕。——その瞬間、痛感した。「フランス語、これ、相当やばいぞ」。
【2】3カ月後には企業で働く? 焦りと現実
フランス語ゼロの状態から、3カ月後には企業研修。焦りしかない。英語だってまだ完璧じゃないのに、「いきなりフランス語で仕事」なんて、正直、無茶すぎる。
しかも、プログラムのサポートはブリュッセルにしかおらず、頼れるのは自分たちだけ。支援を期待する余裕もない。
——もうやるしかない。その言葉だけを胸に、僕たちは走り出した。
【3】かわいい教会のような語学学校
僕が配属されたフランス組は4人。最多チームだ。仲間がいるのが唯一の救いで、みんなで支え合いながら日々を乗り越えた。
通う語学学校は、小さな教会のような可愛い建物。明るい先生たちが迎えてくれ、毎日が新しい挑戦だった。
僕たち日本人チームはもちろん超・超・超初心者クラス。Bonjourからやり直し。笑われることも多かったけれど、同じ夢を持つ仲間と学ぶ時間は、意外と楽しい。
【4】世界中から集まる学びの仲間たち
驚いたのは他のクラスの多様さだ。
イギリスのジャーナリスト、台湾から家族で移住した人、ドイツやスイスの学生、メキシコの高校生、そして「ただフランス語が好き」という日本のOLさんまで。
国籍も年齢も目的も違う人たちが、同じ教室で同じ言葉を練習している。文化も背景も違うのに、全員が「フランス語を学びたい」という一点でつながっている。その光景に、僕は何度も心を動かされた。
【5】少しずつ見えてきた“言葉の壁の向こう”
授業中は常に頭がフル回転。単語が覚えられず、動詞の活用に泣かされた夜も数えきれない。
それでも、少しずつ理解できるようになると、景色が変わる。先生のジョークに笑えるようになり、パン屋で自分の注文が通るようになる。その小さな成功が、何よりもうれしかった。
気づけば、焦りよりも「もっと話したい」という気持ちが大きくなっていた。
マダムの叫び声から始まった混乱の日々が、今では懐かしい。
フランス語の壁は高い。でも、それを越えた先に、確かに見えるものがある。
【6】私ならできる!明日から踏み出す
だからこそ、今日もノートを開く。焦ってもいい。不安でもいい。
——私ならできる。
明日からまた、一歩ずつ踏み出そう。
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