新人研修の先にあった、金融×大規模システムという世界
うわっ、社会人っていきなり本番なのか!?
そんな感覚を抱えながら、私は日立での社会人生活をスタートさせた。もともと学生時代からプログラムを書いていたこともあり、新人の中では「システムは分かる方」に入れてもらえていたと思う。正直、システム研修は楽しかった。理屈が分かる、手を動かすと結果が返ってくる。その感覚は、すでに自分の中に馴染んでいた。
■ 夏、配属説明という“最初の分かれ道”
夏になり、配属の説明が行われた。
金融、公共、産業……並ぶ事業部の名前を聞いても、正直ピンとこなかった。配属面談では「どんなことをやりたいか」と聞かれたが、各事業部が何をしているのか、実感として分かっていなかったのだ。
先輩の話を聞いても、いまひとつ腑に落ちない。
今思えば、理由はシンプルだ。周りはみんなシステム系。違いがクリアに見えなかったのだろう。
「事業部ごとにシステムは全然違うよ」
そう言われていたし、確かに特色はある。でも、今ならはっきり言える。
全部、一緒だよ。
■ 「モノづくり」がしたかった新人の本音
当時、私が強く思っていたのは「モノづくりがしたい」ということだった。
リアルな現場で、実際に動くものを作りたい。画面の向こうに、確かに使う人がいる世界。その思いを抱えたまま、私は金融系システムへの配属を告げられた。
しかも、大規模システムを構築する部隊。
社内では「ザ・ブラック部署」と囁かれ、少し敬遠されていた場所でもあった。
■ 嫌煙される部署、でも誇らしかった理由
正直、周囲の反応は微妙だった。
「大変だよ」「きついらしいよ」
そんな声も聞こえてきた。でも、不思議と私は誇らしかった。選んでもらえた、という感覚があったからだ。
大規模システムを構築する。
簡単じゃない。だからこそ、やりがいがある。
そうして、私の最初のプロジェクトが始まった。
■ 金融という世界に足を踏み入れた瞬間
銀行のシステム。
外国の銀行と接続し、Web画面を作り、データをつなぐ。
一行のコードが、世界のどこかの取引につながっている。そのスケールに、静かに震えた。
この瞬間、私は金融という世界に足を踏み入れたのだ。
■ そして今、言えること
振り返れば、不安も迷いも多かった。
でも、最初の一歩は確実に今につながっている。
分からないままでも、選ばれた場所で全力を尽くす。その積み重ねが、自分を作ってきた。
私ならできる!明日から踏み出す
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