英語も通じない。仕事もない。だけど、カナダで“生き抜く力”と“学びの意味”を掴んだ。
「えっ!? 私がカナダで生きてる!?」
21歳の冬、私は大学を休学し、ワーキングホリデーでカナダへ飛び立った。
英語も完璧じゃない。貯金も少ない。けれど、「なんとかなる」と思っていた。
実際、最初の数週間は“なんとかしかならなかった”。
英語が通じず、買い物ひとつにも苦労した。
「Are you dumb?」と笑われたこともある。差別か?と感じることも少なくなかった。
それでも、働かないと生きていけない。気づけば体が先に動いていた。
「できた」瞬間が、心を変えた
そんな日々の中で、少しずつ“できた”が増えていった。
英語でオーダーが通じた。職場で褒められた。給料がもらえた。
——なんとか働いていけるんだ。頑張れば、お金は稼げる。
カナダでの1年間は、そんな“自信”を掴んだ時間だった。
バックパッカーとして旅を重ねるうちに、多くの人と出会った。
貧しくても笑顔な人、勉強せずとも幸せそうな人。
でも、私はそこで一つ決めた。
「この先、自分の人生をコントロールできる人間になりたい」と。
「勉強しないといけない」
現地で見た世界は自由だった。
だが同時に、自由は“力”がなければ掴めないと痛感した。
体で動くより、頭で働く方が大きなことができる。
そして、大学で学ぶ意味を初めて理解した。
せっかく大学にいる。
その環境を“当たり前”にしてはいけない。
休学してやってきたカナダで、私は大学の価値を心から知った。
「日本に戻ろう」
ワーキングVISAを延長して、カナダに残る道もあった。
でも私は、大学に戻ることを選んだ。
日本の方が、アクセスできる知識も多く、環境も安定している。
まずはその恵まれた環境で、しっかり学ぼうと思った。
1年かけて気づいた——それが私にとって最大の成果だった。
今になって、あの環境を作ってくれた親への感謝がこみ上げる。
大学に行けと、ケンカしてまで送り出してくれた両親。
その想いに、ようやく応えたいと思えた。
「明日からの一歩」
帰国の飛行機の中で、私は静かに笑った。
「日本に帰る」——それは“後退”じゃない。“前進”だ。
カナダでの1年が教えてくれた。
「何とかなる。でも、何とかしかならない。」
本気で未来を変えたいなら、学び続けるしかない。
そして今、私は胸を張って言える。
「私ならできる!明日から踏み出す。」
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