完璧だと思ったテストの、その先にあったもの
うわっ!まさか、ここで止まるなんて――。
それが、本番当日の最初の感情でした。
その日は平日の昼間。
当時のルールでは、大きな変更は土日に実施するのが常識でした。でも今回のリリースは、私が担当したWeb機能の一部と、同期が作った連携機能、さらに別チームが作った店舗機能が組み合わさる構成。
万が一止まっても社会的ニュースになるものではない。そう判断して、平日ローンチを選びました。
■「テストは完璧」だと思っていた
正直に言えば、かなりテストしました。
自分のWeb機能も、同期の連携機能も、別チームの店舗機能も。
「ここまでやったら大丈夫だろう」
そう、本気で思っていました。
■お客様の会議室、和やかな空気
本番当日、私は先輩と一緒にお客様の会議室で待機していました。
昼間のオフィス。
雑談も交えながら、和気あいあいと報告を待つ時間。
そして、最初の一報が届きます。
「……データが、飛んでいません」
■びっくりした!脂汗が一気に出た
一瞬、意味が分かりませんでした。
え? データが、ない?
その瞬間、脂汗がドッと湧いてきたのを今でも覚えています。
「あれ?何か見落とした?」
「テスト漏れ、あったかな?」
先輩の顔も、明らかにこわばっていました。
■原因が…分からない
すぐにオフィスへ移動。
全員がPCを開き、ネットワーク、連携機能、店舗側……
片っ端から確認します。
でも、原因が分からない。
データが無いせいか、画面も正しく表示されない。
そのとき、私は気づきました。
自分、ノートPCを持ってきていない。
■何もできず、立ち尽くす
先輩は必死に開発チームと電話。
私は……何もできない。
机の隅で、ただ立っていました。
「自分の影響なのか?」
「誰かのバグなのか?」
分からない。でも、オフィスに戻って調べることもできない。
考えながら、ただ立っている。
■「座ってて良いっすよ」…でも、座れなかった
気がつけば2時間。
さらに時間は過ぎ、気づけば深夜。
昼から立ちっぱなしだから……10時間くらい?
さすがにお客様も気になったのでしょう。
「座ってて良いっすよ」
そう声をかけてくれました。
でも、座れなかった。
意地じゃない。ただ、座れなかった。
自分の責任かもしれない状況で、椅子に体を預けることができなかった。
■深夜11時、救いの一言
そのときでした。
深夜11時ごろ。
「……画面、見えました」
その一言で、張り詰めていた空気が、少しだけ緩みました。
■本番は「技術」だけじゃない
この経験で学んだのは、
本番はコードの出来だけでは決まらないということ。
準備、判断、責任感、そして「自分が何もできない時間」とどう向き合うか。
あの「座れなかった時間」は、
今でも私の中で、仕事の原点になっています。
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