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「“作る側”なのに、なぜ席が違う?」——ロンドン行きの飛行機で感じた、IT業界の静かな格差

“エコノミーじゃない”だけで感動していた

うわっ!空の上にも“会社の階級”って存在するのか——そう思った。

入社8年目。
私はロンドンへ向かう飛行機に乗っていた。

理由は、お客様がロンドンで動いている金融システムを導入するための研修。
当時の自分にとって、“海外金融システム”という言葉だけで別世界だった。

しかもロンドン。
映画でしか見たことのない場所。

そして、さらに驚いたのは飛行機だった。

プレミアムエコノミーですら「すごい世界」

日立のメンバーはプレミアムエコノミー。

正直に言う。
その時の私は、それだけで十分感動していた。

「え?席広い!」
「足伸ばせる!」
「毛布違う!」

そもそも“エコノミー以外”なんて知らない。
飛行機にランクがあることすら、現実感がなかった。

だから、ビジネスクラスなんて、ほとんど異世界だった。

ラウンジって何?

空港で、お客様側メンバーが別方向へ歩いていく。

「ラウンジ使うので」

ラウンジ?
何それ?

しかも、お客様はビジネスクラス。
別ルート。
別搭乗。
別空間。

同じプロジェクト。
同じロンドン。
でも、移動の世界が違う。

その時、少しだけ頭によぎった。

「あれ?やっぱりベンダーだから?」

“技術側”なのに、なぜ立場が違う?

その出張には、40代のシステムサーバ担当も参加していた。

金融機関システムを長年支えてきたベテラン。
経験値だけなら、先方の部長クラスに近い。

障害対応。
深夜対応。
性能改善。
運用保守。

現場を知り尽くした人だった。

でも、その人も私と同じプレミアムエコノミー。

そこで、なんとも言えない感情が生まれた。

「飛行機のランクって、個人じゃなくて“企業”で決まるんだ」

モノづくりって、もっと強いと思っていた

私は昔から、システムを作れる人は格好いいと思っていた。

巨大システムを動かす。
社会インフラを支える。
金融を止めない。

そんな技術者に、強い憧れがあった。

だから、どこかで思っていた。

“作れる側”は強い、と。

でも現実は少し違った。

お客様側の方が、立場が上に見える。
待遇も違う。
移動も違う。
給料も、たぶん違う。

もちろん、それは契約構造や責任範囲の違いでもある。
発注側と受託側では、利益構造も違う。

頭では理解できる。

でも、感情は少し追いつかなかった。

「会社」で差がつくのか?

ロンドンへ向かう機内で、ずっと考えていた。

本当に、“会社”で人のランクは変わるのか?

同じ技術者でも。
同じプロジェクトでも。
同じだけ社会を支えていても。

所属企業で、見え方が変わるのか?

そして、もっと考えた。

では、技術者は何を目指せばいいのか?

大企業に入ること?
発注側へ行くこと?
マネジメントになること?
それとも、自分で価値を持つこと?

ロンドン出張で見えた「IT業界の構造」

今振り返ると、あの出張は単なる海外研修ではなかった。

“IT業界の構造”を初めて体感した瞬間だった。

日本のSI業界では、
「誰が作るか」より、
「どの立場で契約するか」が強く影響する場面がある。

これは良い悪いではない。

でも、若い技術者ほど、早めに知っておいた方がいい現実でもある。

技術だけでは決まらない。
所属企業だけでも決まらない。
肩書きだけでも決まらない。

だからこそ、自分自身の価値をどう作るかが重要になる。

ロンドン行きの飛行機で感じた、少しのモヤモヤ。

でも、その違和感があったからこそ、
私は「技術+ビジネス+構造」を考えるようになった。

あの時の違和感は、今の自分につながっている。

私ならできる!明日から踏み出す

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