「書かないエンジニア」という衝撃
うわっ!? コードを書かないのにシステムを支配している人がいる——。
社会人7年目、私は200人を超える大規模開発プロジェクトに構成管理リーダーとして参画していた。5社が入り乱れる現場で、各種基準書を整備し、チーム全体を“ルール”で誘導する役割だった。
そんな中、最も密に連携していたのがサーバ管理担当だった。構成管理とサーバ管理は、現場を支える両輪だ。自然と会話も増えていった。
ある日、何気なく聞いた。
「Javaとか、どれくらい書くんですか?」
返ってきたのは、予想外の一言だった。
「いや、書いたことないですね」
現場を動かす“スクリプトという言語”
驚いた私は、さらに聞いた。
「じゃあ、何もプログラムしないんですか?」
彼は少し笑って答えた。
「いや、簡単なものならやってますよ」
そこで出てきたのが、Bashに代表されるシェルスクリプト、そしてWindowsのVBスクリプトだった。
ここで、システムの“裏側の構造”が一気に見えてきた。
サーバは「JOB」という単位で管理される。処理はすべてスケジュールされ、自動化されている。そして、その統制を担うのがJP1だ。
しかしJP1は、単独では動かない。OSの機能を呼び出す際には、必ずスクリプトを介する。つまり、シェルスクリプトやVBスクリプトが“翻訳者”として、JOBの指示をサーバに伝えている。
システムは「3層」で動いている
ここで整理すると、構造はこうだ。
・全体統制:JP1(JOB管理)
・実行主体:各サーバ
・接続役:スクリプト(Shell / VB)
そして、その上で我々のJavaなどのアプリケーションが動く。
つまり、派手なアプリケーションの裏側には、無数のスクリプトが存在し、それらがシステム全体を支えているのだ。
“小さなコード”がシステムを支配する
週次処理、バッチ処理、ログ取得、監視連携——
これらはすべて、小さなスクリプトの積み重ねで成り立っている。
大きなプログラムではない。だが、その数は膨大で、どれ一つ欠けてもシステムは止まる。
彼らの仕事は目立たない。しかし、確実に“全体を動かしている”。
エンジニアの価値はどこにあるのか
ここで一つ、議論を投げかけたい。
「高度な言語で大規模なコードを書ける人」と
「システム全体を動かせる人」
どちらが本当に価値が高いのか?
DX時代において、その答えは明らかに変わりつつある。
重要なのは、“つなぐ力”と“動かす力”。
スクリプトは、その象徴だ。
見えない価値に気づけるか
あの時の違和感は、今では確信に変わった。
エンジニアの価値は、「何語を書けるか」ではない。
「どこまでシステムを動かせるか」だ。
この視点を持つだけで、キャリアの見え方は大きく変わる。
そして、見えない価値に気づいた人間だけが、次のステージに進める。
私ならできる!明日から踏み出す
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