うわっ、キーボードよりも先に“床”と戦う仕事だったのか!?
■システム構築=机に座る仕事?
「システム構築って、パソコンに向かってコードを書く仕事ですよね?」
そんな問いに、私は一瞬、言葉を失う。
確かに、そういう側面もある。
だが、それだけで語るにはあまりにも現場は“泥臭い”。
私はこれまで、いくつものシステムプロジェクトを回してきた。
立場としてはどちらかと言えばマネジメント側。
しかし、プログラムも書いてきた。
サーバも構築した。DBも当然やってきた。
「ネットワークは?」
——もちろんやっている。
■まだWi-Fiがなかった時代
今でこそWi-Fiは当たり前だが、10何年前は違った。
開発環境は基本、有線。
青いLANケーブルをHUBに差し込む。
それが“インフラ構築”の基本動作だった。
だが現実は、そんなに綺麗ではない。
青で統一されていればまだ良い方。
黄色、白、どこから来たかわからない古いケーブル。
現場はカオスだった。
■200人プロジェクトの“現実”
200人規模のプロジェクトになると、話はさらに変わる。
急ごしらえのテーブルを並べる。
当然、ネットワークが追いつかない。
ルーターからHUBをいくつもつなぎ、
そこからさらにLANケーブルを伸ばす。
だが、当然足りなくなる。
ではどうするか?
LANケーブルのソケットを買ってきて、
長いケーブルを切断し、つなぎ直す。
“増やす”のではなく、“作る”。
それが現場だった。
■昼は会議、夜は職人
昼は会議。
進捗、課題、顧客説明。
完全にマネジメントの顔だ。
だが夜になると違う。
誰もいないオフィスで、
LANケーブルを作り続ける。
ペンチを握り、端子をかしめる。
気づけば、エンジニアというより職人だ。
■床の下にある“本当のシステム”
さらに作業は続く。
LANケーブルは床の上には置かない。
OAフロアを開け、
その下に配線していく。
絨毯を剥がし、床を持ち上げ、
ケーブルを通す。
人がいない時間しかできない。
だから、夜か朝。
急いで配線し、
床を閉じ、絨毯を戻す。
——あ、ネジ締め忘れた。
次の日、床が“ボコッ”と沈む。
そんなことも日常だった。
■スーツは泥まみれになる
気づけばスーツは汚れている。
床下のホコリ、
ケーブルの油、
現場の熱気。
「システム屋=クリーンな仕事」
そんなイメージとは真逆だ。
だが、これが現実。
そして、これこそが本質だと思っている。
■ビジネス視点:なぜ現場を知るべきか
この経験から言えることがある。
それは——
“システムは机の上では完成しない”ということだ。
構造を理解するとは、
コードだけでなく、物理も含めて理解すること。
ネットワークの遅延、
接続の不安定さ、
現場の制約。
それらを知らずに設計されたシステムは、
必ずどこかで破綻する。
DXの時代こそ、
この“泥臭さ”を知る人材が価値を持つ。
■それでも、この仕事を選ぶ理由
正直、楽な仕事ではない。
だが、システムが動いた瞬間。
200人の手が一斉に動き出す瞬間。
あの感覚は、他では得られない。
机の上だけでは味わえない達成感。
それが、この仕事の魅力だ。
私ならできる!明日から踏み出す
コメント
コメントを投稿