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「もう、誰でもいいから動いてくれ!」――外注開発で本当に追い込まれたDX担当者の話

「すみません。これ、いつ直りますか?」

その質問を受けるたびに、私は答えに困っていました。

なぜなら、私自身も分からなかったからです。

開発会社に聞いても、

「確認します」

「担当に確認中です」

「もう少しお時間ください」

そんな回答ばかり。

でも、社内からは毎日のように聞かれます。

「進んでますか?」

「いつリリースできますか?」

「この問題、まだ直らないんですか?」

私はDX担当者。

プロジェクトの責任者です。

でも、自分でプログラムを書いて直すことはできない。

だから、開発会社に頼るしかありません。

そして、その開発会社が動いてくれない。

これが、私が外注開発で経験した、かなり苦しい時期でした。


▼開発会社選びに悩んでいる方はこちら

 


最初は、こんなことになるとは思っていなかった

もちろん、最初から怪しい会社を選んだつもりはありません。

提案書はきれいでした。

営業担当者も優秀でした。

「この領域は経験があります」

「お客様の要望に柔軟に対応できます」

「経験豊富なエンジニアをアサインします」

こちらも安心します。

「これなら大丈夫だろう」

そう思って契約する。

ところが、プロジェクトが始まってみると、少しずつ違和感が出てきました。


「それ、営業から聞いてません」

最初に出てきたのが、これでした。

こちらが契約前の打ち合わせで話した内容について確認すると、

「その件は聞いていません」

と言われる。

「いや、営業の方と話しているんですが……」

「営業と現場で認識が違うかもしれません」

……。

この瞬間、本当に嫌な予感がします。

その後、

「それは追加開発です」

「そこまでの対応は含まれていません」

「仕様変更になります」

という話が増えていきました。

契約前には、

「できます」

と言っていたことが、

契約後には、

「条件によります」

に変わっていく。

そして最終的には、

「それは難しいです」

になる。

この変化を何度経験したか分かりません。


そして、問題が起きる

システム開発で一番怖いのは、問題が起きることではありません。

問題が起きたときに、

誰も責任を持って前に進めてくれないこと

です。

ある時、システムで問題が発生しました。

当然、私は開発会社に連絡します。

「原因を調べてください」

「いつまでに対応できますか?」

すると、

「まず調査します」

となります。

翌日。

「調査状況はいかがですか?」

「現在、担当者が確認しています」

さらに翌日。

「原因は分かりましたか?」

「もう少しお時間をください」

そして会議。

「現時点では原因を特定できていません」

……。

こちらはユーザーから問い合わせを受けています。

社内にも説明しなければいけません。

上司にも報告しなければいけません。

でも、答えがない。

本当に困りました。


会議は増える。でもシステムは直らない

さらに苦しくなったのが、会議です。

問題が起きる。

緊急会議を設定する。

原因を確認する。

宿題が発生する。

次回会議を設定する。

また確認する。

さらに宿題が増える。

気が付くと、

会議だけが増えて、システムは直っていない。

そんな状態になります。

課題管理表には、

「調査中」

「確認中」

「対応検討中」

「ベンダー確認中」

という文字が並びます。

ExcelやJiraなどの課題管理ツールは、とてもきれいです。

課題番号もあります。

担当者もいます。

期限もあります。

でも、現実には何も進んでいない。

これが本当に怖い。


一番つらいのは「自分では直せない」こと

DX担当者として、ここが一番苦しかったです。

自分がプログラマーなら、最悪、自分でコードを確認できます。

でも外注開発の場合、

「そこは開発会社しか分からない」

という領域があります。

だから、

「どうなっていますか?」

と聞くしかない。

「いつできますか?」

と聞くしかない。

「本当に大丈夫ですか?」

と確認するしかない。

でも、返ってくる答えが曖昧。

この状態になると、本当に精神的にきつくなります。


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社内からは「DX担当なんだから」と言われる

さらに苦しいのが、社内です。

現場からすると、

「システムが動かない」

「DX担当に聞こう」

となります。

当然です。

でも、こちらは開発会社ではありません。

それでも、

「いつ直るんですか?」

と聞かれる。

私は開発会社に聞く。

「いつ直りますか?」

「調査中です」

その回答を社内に伝える。

「現在、調査中です」

翌日、

「どうなりました?」

「まだ調査中です」

……。

この繰り返しです。

自分が何もしていないような感覚になってきます。

実際には、朝から晩まで調整しています。

メールもしています。

会議もしています。

電話もしています。

ベンダーにも何度も催促しています。

でも、成果物が出ない。

だから、自分自身でも、

「俺は今日、何を進めたんだろう?」

と思ってしまう。


さらに怖いのが、経営層への説明

プロジェクトが遅れてくると、当然、上司や経営層への説明が必要になります。

「なぜ遅れているのか?」

「いつ終わるのか?」

「追加費用は発生するのか?」

「そもそも、この会社に任せて大丈夫なのか?」

私は開発会社から情報をもらって説明しなければいけません。

ところが、その情報自体が曖昧です。

だから、

「現時点では……」

「現在確認中で……」

「今週中には回答予定で……」

という説明ばかりになる。

これが何度も続くと、本当に胃が痛くなります。


「もう、私が開発会社と直接やります」

ある時から、私は考え方を変えました。

開発会社のマネージャーだけと話していてもダメだ。

実際に手を動かしている人と話そう。

そう思って、技術担当者と直接話すようにしました。

すると、意外なことが分かりました。

現場のエンジニアは、意外と状況を理解している。

問題は、

情報が途中で止まっていたこと

でした。

営業とプロジェクトマネージャー。

プロジェクトマネージャーとリーダー。

リーダーとエンジニア。

その間で、情報が少しずつ変わっていた。

こちらの本当の困りごとが、現場まで届いていなかったのです。


そこで初めて「会社」ではなく「人」を見るようになった

この経験から、私は外注先を見る目が変わりました。

会社名だけでは判断しない。

提案書だけでも判断しない。

営業担当者だけでも判断しない。

実際にプロジェクトを動かす人を見る。

そして、

「問題が起きたら、この人はどう動くんだろう?」

を考えるようになりました。


私が今、外注先に一番求めること

別に、何でもできますと言ってほしいわけではありません。

むしろ、

「それはできません」

と言ってくれてもいい。

「その納期では難しいです」

と言ってくれてもいい。

「その仕様なら、こう変更した方がいいです」

と提案してくれればいい。

私が一番困るのは、

できないのに、できそうな顔をして時間だけが過ぎていくこと

です。

できないなら、早く言ってほしい。

問題があるなら、早く言ってほしい。

遅れるなら、早く言ってほしい。

そして、

一緒に解決策を考えてほしい。

それだけです。


「外注する」と「任せる」は違う

今振り返ると、ここが一番大きな学びでした。

外注したからといって、

「全部お任せします」

ではありません。

DX担当者としては、

  • 何を作るのか

  • なぜ作るのか

  • 誰が使うのか

  • 何を成功とするのか

  • どこまでが責任範囲なのか

を明確にする必要があります。

そのうえで、

一緒に作っていくパートナー

を選ぶ。

これが重要だと思っています。


あの頃の自分に言いたいこと

もし、あの頃の自分に一つだけ言えるなら、

「もっと早く、開発会社を疑ってもいい」

と言いたいです。

もちろん、疑うというのは、

「相手は悪い会社だ」

と決めつけることではありません。

そうではなく、

本当に現場は動いているのか?

本当にこの人たちは作れるのか?

問題が起きた時、このチームは逃げないか?

を確認することです。

提案資料を見る。

価格を見る。

実績を見る。

もちろん大事です。

でも最後に見るべきなのは、

「この人たちと、苦しい時期を一緒に乗り越えられるか?」

なのだと思います。


外注開発で一番怖いもの

今でも私は思います。

システム開発で一番怖いのは、

バグではありません。

遅延でもありません。

予算超過でもありません。

一番怖いのは、

「誰も本気で前に進めようとしていない状態」

です。

会議はある。

メールもある。

資料もある。

課題管理表もある。

でも、誰も最後まで責任を持って動かない。

そうなると、DX担当者は本当に苦しくなります。

だから私は今、

「この会社に頼めるか?」

だけではなく、

「このチームと、困った時に一緒に戦えるか?」

を見るようにしています。

DXは、システムを買う仕事ではありません。

人と人が一緒になって、

「じゃあ、どうやって実現する?」

を考える仕事です。

そして、それができる会社に出会えた時、

外注は「外に出す仕事」ではなく、

「一緒に作る仕事」

に変わるのだと思います。


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