金融システムを構築した、その次は
ロンドンのシステムを日本へ
当時、私はロンドンの会社が開発した金融システムを、日本に導入するプロジェクトに入っていた。
私の立場は、アプリケーション管理。
システム全体のアプリケーションについて、ロンドン側の担当者と連携しながら、日本での導入を支えていく仕事だった。
アプリケーションそのものは、ロンドンの会社のシステム担当者が中心となって進めていく。
私は、日本側で必要となる調整や確認を行い、テストの最終段階までプロジェクトに付き合った。
そして、いよいよ本番運用が見えてきた。
オペレーションの担当者が実際に使えるように、業務の流れを確認し、運用面もサポートする。
「もうすぐ、このプロジェクトも終わるな」
3月。
そんなことを考え始めていた。
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「次のプロジェクトだ」
そんなタイミングで、声がかかった。
「次のプロジェクトだよ」
私は、当然こう思った。
「次もシステム開発プロジェクトかな?」
ところが、話を聞いてみると違った。
「次は、顧客先への出向」
……うん?
出向って、何だ?
システム開発プロジェクトではないのか?
さらに聞いてみる。
「IT企画部門に行ってもらう」
そこで、少し驚いた。
私は、それまでアプリケーションの設計やシステム導入には関わってきた。
プロジェクトの計画を作った経験もある。
しかし、「会社全体のITをどうしていくのか」という企画は初めてだった。
これは、面白い!
でも、考えてみると、とても面白い仕事だった。
これまでは、一つのシステムをどう作るかを考えていた。
今度は違う。
会社全体のシステムを、どうしていくのか。
どんなシステムが必要なのか。
何を残して、何を変えるのか。
どのタイミングで投資するのか。
それを企業レベルでプランニングする。
「プロジェクトのプランニングなら、ある程度やってきた」
正直、基盤側については、まだまだ自信がなかった。
それでも、プロジェクト全体の計画を書き、関係者を整理し、システム導入を前に進めてきた経験はある。
それが、企業全体のIT計画になる。
「かなり面白いじゃないか」
そんな仕事があること自体、当時の私には新鮮だった。
しかも、選ばれたのは一人
さらに驚いた。
会社から選ばれるのは、一人。
その一人として、自分が行くことになった。
国の金融システムの一端を担うような会社に、今度は「システムを作る側」ではなく、「ITを企画する側」として関わる。
これは、かなりワクワクした。
一方で、不安もあった。
「これまでの経験は、どこまで通用するんだろう?」
「もしかしたら、全く歯が立たないかもしれない」
特に金融の世界には、非常に頭の良い人たちが多い。
難しい数学や金融理論を学んできたエリートたちが集まっている。
そんな環境で、自分は何ができるのか。
「作る」から「考える」へ
今振り返ると、ここが大きな転換点だった。
システムを作ることだけがITの仕事ではない。
その前には、
「そもそも、何を作るべきなのか?」
「会社として、どこにIT投資をするのか?」
「システムをどう組み合わせれば、企業全体が強くなるのか?」
という問いがある。
システム開発を経験したからこそ、現場で何が起きるのかを想像できる。
そして、プロジェクトを経験したからこそ、計画を現実に落とし込むこともできる。
その経験を、今度は企業全体に広げていく。
それが、私にとって最初の「IT企画」だった。
システムを構築した。
その次に待っていたのは、システムそのものではなく、「企業の未来をどう設計するか」という仕事だった。
そして、ここから新たな挑戦が始まった。
私ならできる!明日から踏み出す
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