■ 月に一度、全システムを「仕切る」会議
二十年前、私は発注側のIT企画部に出向していました。そこで月に一度行われていたのが、全部門のシステムを一堂に見る会議です。各部の代表が集まり、自分たちが管理しているシステムの情報や進捗状況を報告し、全体で共有する。部門をまたぐ連携の方法を確認し、調整が必要なものは、その場で論点を切り分ける。さらに深い調整が要るものは、別の会議を立てて、そちらで詰める。報告して終わりではなく、「全体を見る場」と「深く詰める場」を分けていたのです。いわば、全システムの「コントロールタワー」のような会議でした。全体像が見えるからこそ、各部門の動きが部分最適に流れない。この設計に、私は出向早々、強く惹かれました。
■ 舞台はビルの最上階、大きな会議室
その会議の舞台は、ビルの最上階にある大きな会議室でした。当時はまだ、Zoomもオンライン会議も主流ではない時代です。全員がその部屋に集まり、顔を合わせて議論するのが当たり前でした。最上階の大会議室という場所の力もあって、月に一度、組織の「頭脳」が一か所に集まるような緊張感がありました。
■ 裏の管理室から投影する「会議室システム」
ところが、その会議室はただ大きいだけではありませんでした。専用の会議室システムが入っていて、裏側の管理室から資料を投影し、タイミングよく切り替えていく。コメントはタッチペン方式で画面に書き込み、そのまま全員で共有される仕組みでした。発表者が資料の操作に気を取られず、議論に集中できる。今思えば、当時でも少し時代を感じる部分はありました。でも、それをいち早く作り、しっかり使いこなしていた人たちがいたのです。最新のシステムを「入れて終わり」にせず、会議の運営そのものに組み込んでいた。そこに本質がありました。
■ ここから得た、3つの型
振り返ると、この会議には今も使える型が3つありました。1つ目は、全体を見る場と、深く詰める場を分けること。全部を一つの会議で決めようとしないから、月一回の場が「共有と判断」に集中できる。2つ目は、道具は運営まで含めて設計すること。投影も書き込みも裏側で支える仕組みがあったから、参加者は議論だけに集中できた。3つ目は、場の格が議論の質を決めること。最上階の大会議室に集まるという体験そのものが、「全体のことを考える」姿勢を参加者に求めていたのだと思います。
■ システムは変わる。でも「仕切る力」は残る
今は全員が自分のパソコンからZoomでつなぐ時代です。主役は会議室の設備から、クラウドのツールへと移りました。システムはこれからも、どんどん変わっていきます。でも、全体を見渡して情報を集め、優先順位をつけ、部門間の調整を回していく。「仕切る」仕事の本質は、道具が変わっても変わりません。むしろ、情報が分散する今の時代ほど、その価値は上がっていると感じます。最先端のITの議論をするのは本当に楽しかった。この経験が、今の私を形作っています。
私ならできる!明日から踏み出す
#IT企画 #出向 #会議 #DX #キャリア
【コンテンツ記入ポイント】
・この記事で伝えたい現場経験:出向先のIT企画部時代、月1回の全システム会議と、最上階大会議室の会議室システム(裏の管理室からの投影、タッチペンでのコメント共有)
・DX視点の学び:道具は変わっても「全体を見て仕切る」会議設計の本質は変わらない。場と運営まで含めた設計が議論の質を決める
・読者へのメッセージ:会議が機能しないのは人の問題ではなく、場と仕組みの設計の問題かもしれません
・次のアクション:自分の会議が「全体を見る場」と「深く詰める場」に分かれているか、点検してみる

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